新生児黄疸とはどんな治療?いつまで続く?〜光線治療の体験談〜
赤ちゃんが無事に生まれて喜びに浸っていられたのは束の間、母子同室のママは入院中から三時間おきの授乳や夜泣きに最初の子育ての壁を感じているのではないでしょうか?
そんな頃に、看護師さんや助産師さんから黄疸について説明されることがあります。皮膚や白目の色が黄色くなる症状で、多くのお子さんに生理的に起こり、新生児黄疸と呼ばれています。
症状にはかなり個人差があり、軽症ですぐに改善していくようであれば特に治療もしませんが、重症であれば入院中治療をしたり、退院が遅れたりすることもあります。今回はこの新生児黄疸について、原因や光線治療の経験と共にお話ししたいと思います。
新生児黄疸はなぜ起こる?
おなかにいた頃の赤ちゃんは、ママからもらう少ない酸素を有効に使うため、たくさん赤血球を持っているそうです。
しかし、生まれて自分で呼吸が出来るようになると多くの酸素を取り入れられるようになるので不要な赤血球は体内で分解されていきます。
赤血球が分解されるとビリルビンという物質ができ、それも肝臓で分解されて排出されるのですが、新生児の肝臓はまだ未発達でビリルビンを処理するのに時間がかかります。
このビリルビンという物質が、黄色い色素をもっており血液中のビリルビン数値が高くなると皮膚や白目が黄色く見えるというわけです。
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・ビリルビンとは?新生児に多い黄疸について
・新生児黄疸の原因はビリルビン?いつまで続く?
どんな治療、いつまで続く?
一般的に、新生児黄疸はよく起こる症状であり生後2〜4日の間に症状が表れはじめます。この時に、数値が基準値より低ければそのまま自然におさまっていくということで特に治療はせずに退院となります。
しかし、ビリルビンの数値が基準値より高い場合は光線治療と呼ばれる光を使った治療が行われます。
ベビーコットンや、保育器のなかでアイマスクを着けてオムツ一枚になった赤ちゃんに青い蛍光灯の光を当てるという素人には効果があるように思えない治療法ですが、この特殊な光には血中のビリルビンを溶かす効果があり、服の上ではなく直接皮膚に光が当たるよう着衣なしの状態で授乳以外の時間はできるだけしっかりと光を当てるようにします。
治療をはじめて1日で数値が下がる子もいれば、数日〜数週間と治療が延びる子もいます。
数値が下がっても、翌日にまた数値が上がることもあるので治療後にもう一度数値を測って、基準値内に治まっていれば治療終了となります。
光線治療の体験談
私の子どもも黄疸の検査にひっかかりました。初めての赤ちゃんで、肌の色については何とも思っていなかったのですが、産後3日目になってよくしてくれていた新人助産師さんとベテラン助産師さんが二人で病室にやって来て、新人さんから黄疸について説明を受けました。
「血液検査で基準値より高いビリルビンの反応があり、光線治療を始める。」という内容です。
よく起こること、と前置きはあったものの、治療=病気で捉えてしまった新米ママの私は、泣きそうになるのを必死に堪えていました。
その空気を察したベテラン助産師さんから、何度も何度も全然怖いことじゃない、病気じゃないからね、治るからね、と念押しされてその優しさにまた涙が出そうになりました。
そのあと、下から青いライトを当てられて目にはテープのアイマスクを貼られた赤ちゃんが運ばれてきました。
まだ本人は目もまともに見えていないので目隠しをされている実感はないと思うのですが、その姿はやはり可哀想で、見ていて辛いものがありました。
私の場合はあと二日で退院だったので、1日光線治療をして治らなければ治療を延長、それでも治らなければ子どものみ退院が延長に、という予定でした。
結果的には一緒に退院はできたものの、光線治療は退院直前まで続け次の日にもう一度外来で検査に行ってようやく解放となりました。
入院中は、見回りにくる助産師さんが皮膚に当てるだけでビリルビン数値を計れる測定器を使って、「下がってきているよ!」と励ましてくれたり、見慣れてくると青い光に包まれて目隠ししている我が子もターミネーターみたいでカッコいい !と写真を撮れるくらい気持ちも落ち着いていました。
いま思うと、誰にでも起こることで経過さえよく観察していれば怖いものではなかったのですが、当時は何が起きても不安だったので産後1、2ヶ月くらいまでは時々夫や家族に
「黄色くないよね?白目、白くなってきたよね?」
と、確認することも多かった気がします。今同じような状況で不安になっている方はあまり神経質にならずに赤ちゃんを見守ってあげてくださいね。
黄疸にまつわる噂
・ひなたぼっこは効果アリ?
新生児黄疸になったと実家の母に相談すると、「たくさん日光浴させてあげなきゃね。」と言われました。たしかに光を当てて治療をしますが、まさかそんなので治るわけない!と思いました。
しかし調べてみると、たしかに効果があるそうです。新生児はまだまだ肌が弱いので、直射日光や、強い紫外線は禁物です。
窓際でレースカーテン越しに寝かせてあげるだけでも効果があるそうなので退院後も経過が気になる方は1日15分〜30分など、様子を見て試してみてくださいね。
・黄疸になりやすい血液型がある?
次に、お見舞いに来てくれた義母にも黄疸になったと相談しました。すると「あー、O型はなりやすいもんね!」と言われ、血液型も関係するの?!と驚きました。こちらも調べてみると、たしかにありました。
ABO式血液型不適合というもので、母親がO型、子どもがA型、B型のときに表れるそうです。しかし私の場合、夫がO型で私がA型なので、子どもはA型のはずでこれには当たりません。しかも、ABO式血液型不適合の黄疸は生後24時間以内に起こる症状ということなので、こちらもわたしのケースとは違います。
「O型は黄疸が出やすい」という言葉が一人歩きして間違った解釈になってしまっていたのだと思います。
大先輩ママの言うことでも必ずしも正しいとは限らないんだな〜と思いましたが、二人の母親たちに「黄疸?大丈夫、大丈夫!」と励ましてもらえたことは大きな力になりました。
光線治療中はママもゆっくり休もう
子どもが黄疸治療だと思うと、心配でなかなか眠れないママもいると思います。私も治療1日目は、お見舞いに来た夫が悲しそうに我が子を見守る姿が忘れられず夜中にひとりで泣いてしまいました。
誰が悪い訳でもないのは分かっているのですが、産後の崩れたホルモンバランスのなかだと、少しの不安が大きな波になって押し寄せてきたのだと思います。
でも赤ちゃんを基本的に寝かしておく、ということを最低限のお世話以外はゆっくり休めるという風に捉えてみませんか?
おっぱいは思うように出ないし、赤ちゃんはうまく飲めないし、体中いたいし、抱っこしても泣き止んでくれないし…新米ママは自分が思っているより疲れています。多くの場合は、光線治療によってビリルビン数値は下がっていきます。
光線治療が終わったとき、また全力でお世話が出来るようにママもしっかり休んで体力回復に努めてくださいね。
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