ADHD(注意欠陥多動性障害)の子供の特徴や対応について
「落ち着きがなく授業中立ち歩いている」
「ころころと遊びが変わり集中力がないように見える」
「向かい合って話していても目が合わない」
「順番やルールが守れず友だちとトラブルになる」
あなたの周りにこんな子どもはいませんか?
「親の躾(しつけ)がなってないのよ」
「乱暴な性格なのね」そう思いますか?
実はこのような症状の子どもたちには
一見すると理解し難い特徴が隠れている事があります。
ADHD(注意欠陥多動性障害)の特徴と対応について詳しくご紹介します。
乳児期、幼児期の子どもの様子を観察しよう
抱っこの時期を過ぎて
自分で遊ぶようになってからの子どもたちって
正直とても手がかかりますよね?
同年齢の友だちの遊んでいるおもちゃを横から取ったり
「ダメ!」と威嚇してみたり…
隣で見ているお母さんは友だちに
ケガをさせないものかとヒヤヒヤするものです。
しかし子どもがああしたいこうしたいと
意志を持ち始める事は成長の一つであり
喧嘩したり大人に注意されながら
どの子も付き合い方を学んでいくのです。
では逆の場合はどうでしょう。
一人で遊んで友だちと関わりを求めない、大人しい子。
一見とても手のかからないいわゆる
「良い子」と大人は捉えてしまいがちです。
もしかしたらそんな子の中にADHDは隠れているかもしれません。
ADHDの子は社会的発達が普通の子に比べると緩やかな為
魔のイヤイヤ期がない子もいます。
逆に5歳くらいになって2歳児のように叩いたり噛んだりといった
行動を取るようになると周りからは乱暴な子だと
思われてしまいがちなのです。
また言葉がゆっくりな子もいるので、
遅れが気になる子は専門機関
で診てもらうなどの配慮が必要です。
集中力がないように見えるのはいろんな情報が一度に入ってくるから
例えばあなたが家でとても興味のある本を読んでいるとします。
外からは車の走っている音や
子どもたちの遊ぶ声がしています。
ですが本を読むことに
集中していると周りの音や話し声って
ほとんど気にならないですよね。
ですがADHDの子の頭の中にはこれらの情報が全て大音量
で流している音楽のように聞こえているのです。
なので本を読むことに集中しようと思っても
些細な音や目に入ってくるものが
どうしても気になり落ち着きがないように
見えてしまうのです。
勉強がはかどらない、遊びが続かない時は
静かな場所に移動したり
テレビを消す、いらないおもちゃを片付ける
など工夫してみるといいかもしれません。
目で見て理解する
ADHDの子がお母さんに
「宿題してお風呂入ってご飯食べようね」
と言われたら途端に頭がこんがらがってしまいます。
なぜなら耳から入ってくる情報を処理するのが
普通の子に比べると苦手なのです。
それはまるでぐにゃぐにゃと
形のない抽象的な絵画のように捉えてしまうのです。
これでは何をすればいいか、分かりませんよね?
ではどうすれば理解できるのでしょうか。
有効な伝え方の一つとして絵カードを紹介します。
・宿題
・お風呂
・ご飯
これからする事が描かれたカードをそれぞれ用意します。
子どもさんと作られてもいいですしネットでイラストを
プリントしたものを使用してもいいです。
今回は3枚。子供部屋やリビングの壁など見えやすい所に設置します。
設置の仕方はやり易い方法で、カードに穴を開けてピンで引っかけてもいいし
マグネットなども使いやすくてお勧めです。
一つの作業が完了したら
そのカードを裏返すルールを子どもと決めます。
宿題が終わったら宿題の描かれたカードを裏返す
お風呂が終わったらお風呂のカードを裏返す…
全部裏返すことが出来たら終了です。
小さなお子様でしたら全部裏返す事が出来たら
ちょっとしたご褒美を用意しておくのもいいですね。
視覚情報が入ってきやすいADHDの子は
絵を見ながらこれからする事を
理解し裏返す事で出来た事を確認することが出来るのです。
どうでしょう。
くどくどとお説教されるよりよほど
お互いにストレスが少なくて済みそうではないですか?
絵カードの他にも、○×をジェスチャーで示したり
顔の表情で怒ったり嬉しい感情を
はっきり伝えるのもとても
分かりやすく理解につながる伝え方です。是非お試し下さい。
良いところを伸ばす
ADHDの子の中には、その特性から大人から
叱られたり友だちから嫌がられたりした経験から
自身をなくしている子もいます。
でも本当は、人間なら誰しも好きな事、苦手な事があり
たまたまADHDの子は苦手な事が多いだけで
好きな事や良いところも沢山あるし
それらを伸ばしていけば良い方向に
成長していく希望は誰にだってあるのです。
その為には毎日の挨拶やありがとう
ごめんなさいの気持ちを伝える事や
ルールや順番などの社会性を身につけ
集団の中で付き合いやすい子へと大人が導いていく必要があります。
子どもは皆、無限大の可能性を秘めて産まれてきます。
周りの大人がADHDを理解しサポートしていけばきっと認めてもらえ
自分の足で明るい人生を切り開いていくのではないでしょうか。
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