新生児壊死性腸炎とは?原因は?
新生児は、通常無菌状態で生まれてきますが、腸内細菌も無菌状態と言えます。
新生児壊死性腸炎とは
生後30日以内(特に早産で生まれた新生児で)尚且つ
1000g未満の新生児に起こる可能性の高い疾患で
腸へ血液が流れにくくなり、
流れにくくなる状況と細菌感染が合わさり、
腸の壁に傷ができ、細菌が入り込み、壊死する病気です。
約10%の割合で発症するといわれています。
原因は不明ですが、可能性として高いのは、妊娠中や出産時に、
一時的に、仮死状態になったり、先天性の病気、出産時の感染などが
合わさって、発病する危険性が高くなるといわれています。
人工ミルクも起こしやすい要因の1つといわれているため
母乳を与えることで、予防することが出来ます。
母乳には、新生児に必要な栄養素をたくさん含んでおり、
消化しやすい成分となっているため
未熟児のかかりやすい新生児壊死性腸炎を予防する効果があります。
人工ミルクはなぜ新生児壊死性腸炎を起こしやすいのか??
ごく微量の細菌が入っていることがあるためです。
サカザキ菌は製造工程で混入することがあり、果実や野菜からも検出されることは
ありますが、敗血症や壊死性腸炎を起こす原因菌とされています。
70度以上で攪拌する必要があるのは、そのためです。
サルモネラ菌も乾燥しているミルクに混入することはあり、
乾燥ミルクないで生存できるため、壊死性腸炎を起こす可能性があります。
そのため、人工ミルクは壊死性腸炎を起こしやすいとされています。
新生児壊死性腸炎は大きく分けて3段階に分類される
I期:疑い期
可能性があるものの、特に目立った症状は現れずの状態です。
が、機嫌が悪かったり、元気がない、少し便に血液が混ざるなど。
レントゲンをとっても、ガスがたまっているようにしか見えず
判断ができない状態です。
II期:確定期
血便が見られ、お腹が張り
ガスの量が急増して壁の中に入っている小さいガスが
見られたりと、所見でわかるほどの症状があります。
血管内にもガスが入り込むため、
確定されます。
III期:重症期
ショック症状がおきたり、腹膜炎を起こします。
お腹に流れ込んだガスもレントゲンではっきりと確認できます。
新生児壊死性腸炎の検査とは?
@血液検査:炎症がどのぐらい起きているのか原因の究明。
A細菌検査:原因菌が何であるか、種類を調べる。
B腹部CT :進行具合の確認。
上記の検査が行われます。
3段階の治療法は??
I期:人工ミルクを停止し、投薬にて抗菌薬を使い様子見をします。
II期:血液の流れの補助や、呼吸の補助をし、様子見をします。
III期:壊死した腸をつなげたり、腸をお腹の外に出す(腸ろう手術)などの
外科的な手術が必要となります。
新生児壊死性腸炎の死亡率は?後遺症は残る?
新生児壊死性腸炎の死亡率は以前に比べると、低くはなっているものの、
まだまだそのリスクは高いです。
その割合としては、30〜40%とされています。
後遺症が残ることもあります。
新生児壊死性腸炎に気が付いたら?
早期治療が必要ですが、発症する場合は、ほとんどの新生児がNICUに入院中の
新生児が多いため、全身管理が必要とされます。
呼吸器管理、血液の流れの管理などです。
ただし、感染拡大を防止するため、隔離が必要な場合はあり、
早急に隔離手配されることとなります。
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